あの場面が現代に蘇る、帰ってきたと感じさせる粋な演出が詰まった映画でした。原作者のトラヴァースはお怒りだろうなとは思いますが(笑)
2019年2月1日から公開されているディズニー映画『メリー・ポピンズ リターンズ』みなさんご覧になりましたか?今年最初のディズニー映画ですね。
1964年の前作から約55年ぶりの続編。私もそうですが、前作公開時は生まれてなかったので、映画館でメリー・ポピンズに会えるのを待ちわびていたという人も多かったはず。
そんな『メリー・ポピンズ リターンズ』を鑑賞してきたので、ネタバレを避けながらレビューします!
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約55年ぶりの続編!メリー・ポピンズが帰ってきた!
『メリー・ポピンズ リターンズ』は、1964年に公開されたディズニー映画『メリー・ポピンズ』の20年後を描いた続編になります。不思議な力を持った乳母、メリー・ポピンズが風に乗って舞い降り、バンクス家の問題を解決するというストーリー。
完璧すぎるストーリー、作中のシーンを何倍にも印象付ける素晴らしい音楽・歌詞が溢れるミュージカル、そして実写とアニメーションの融合した、ディズニー映画の中でも間違いなく名作と言える作品が『メリー・ポピンズ』です。ウォルト・ディズニーが映画化を熱望していた作品としても知られています。
特に音楽は素晴らしく『チム・チム・チェリー』、『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』、『お砂糖ひとさじで』、『2ペンスを鳩に』、『凧をあげよう』など名曲だらけ。東京ディズニーランドによく通う人にとっては、パーク内で耳にする印象的な音楽が『メリー・ポピンズ』の音楽であることも多いはずです。
その『メリー・ポピンズ』の続編が、今回公開された『メリー・ポピンズ リターンズ』です。
予告編は、映画の魅力的な部分がしっかり詰め込まれてると思うので、これを見て少しでも興味を持ったのなら、間違いなく見に行ったほうがいいです!
予告編を見てもメリー・ポピンズの不思議な力はとても印象的で鮮やかに映るんですが、物語の本質は家族の問題を解決するところにあって、メリー・ポピンズはそれを気付かせて、ほんの少しだけ手助けをしてくれる存在ですね。
前作を踏襲した展開は、続編だけど現代リメイク版のよう
『メリー・ポピンズ リターンズ』は、前作から20年後を描いた続編なので、前作で子供だったマイケル・バンクスが子供3人をもつ父親になっていたり、前作のバートと同じ役割で登場するのが街灯点灯人のジャックだったりと、登場人物や設定に関しては時の流れを感じさせてくれます。
前作の登場人物はもちろん、物、セリフ、出来事などが次々に登場するので、最初から最後まであの『メリー・ポピンズ』が帰ってきた!今自分は『メリー・ポピンズ』を見てるんだ!と思わせる粋な演出が詰め込まれています。
続編ではあるのですが、内容としてはリメイクと言ってもいいものになっています。名作と言える前作をかなり意識した内容になっていて、同じような展開、同じような演出というように“このシーンは前作のあのシーンを現代版で表現したんだな”と随所で感じました。
お話的にも繋がっていますし、前作を意識したシーンというのが最初から最後まで続くので、前作は必ず見ておくべきだと思います。1964年の作品なので古さは否めないと思いますが、まだ見たことない人は音楽を聴くだけでも十分価値があるので、必ず見たほうがいいです!50周年版は、特典映像も面白いですよ♪
どうしても前作と比べてしまいがちだけど、映画館で見るべき楽しさ
前作をすごく意識した内容かつ続編なので、懐かしさと続編が観れる嬉しさが常に押し寄せてきます!
現代の技術で作られた映像はとても綺麗で引き込まれる美しさがありました。3Dアニメーションだけでなく、ディズニーらしい2Dアニメーションが実写と融合するのは感動します。ミュージカル部分の迫力や楽しさも十分感じられます。
名曲揃いだった前作の音楽を使わなかった(不意にバックで流れてきたりしますが、メインでは使っていない)のは支持しますが、それならいっそのこと前作と同様の展開ではなく、全く違うストーリーでも良かったのでは?音楽は前作の雰囲気こそ残しているものの、やはり名曲揃いの前作とは違い、あまり印象に残りませんでした。細かい不満を言い出すといろいろあるにはあるんですが、特に2ペンスの扱いはそれでいいの?と私は疑問に思いました。
前作はバートを演じたディック・ヴァン・ダイクがいかに楽しませてくれていたのかもよくわかります。『メリー・ポピンズ リターンズ』ではそのディック・ヴァン・ダイクが出演していて、93歳という年齢にも関わらず驚きのパフォーマンスをしてくれます。ここは見所のひとつですね(笑)
私は前作と比較してしまって、手放しに最高!とは言えませんでしたが、久しぶりにディズニーらしく最初から最後まで楽しさとファンタジーが溢れ、それでいてバンクス家に再び幸せが戻るハッピーさが描かれた作品だったと思います。
前作の制作舞台裏を描いた『ウォルト・ディズニーの約束』という作品の存在
さて、『メリー・ポピンズ』に関しては、実はもうひとつディズニー映画が存在します。それが2013年に公開された『ウォルト・ディズニーの約束(原題Saving Mr.Banks)』。
先ほど『メリー・ポピンズ』はウォルト・ディズニーが映画化を熱望した作品と説明しましたが、20年にわたって映画化を熱望していたウォルト・ディズニーと制作陣、そして原作者のP.L.トラヴァースとの間の、『メリー・ポピンズ』完成までの舞台裏を描いた作品が『ウォルト・ディズニーの約束』です。
的外れで商業的すぎる邦題以外は評判の良い作品です(笑)『メリー・ポピンズ』の内容、そして原作者の思いを真に理解するためには欠かせない作品で、『ウォルト・ディズニーの約束』を見ておくと『メリー・ポピンズ』の印象がかなり変わりますし、名曲と言われる音楽がさらに印象的に聞こえてきます。
映画化にはずっと難色を示してきた原作者のトラヴァースが主役の作品で、とても気難しい彼女の性格がよくわかります。実際には映画の内容よりももっと厳しい人だったようですが、映画の中でもかなり辛らつな印象があります(笑)そんな彼女の思いを知ることができ、最後には強く共感できる作品です。
ひとつ注意点があるとすれば、この作品はあくまでディズニー側が描いていて、割と円満な形で終わりますが、トラヴァースはその後も映画化は失敗だったと語っていることは忘れてはいけませんね。
『メリー・ポピンズ』を見た後、『ウォルト・ディズニーの約束』を見て、また『メリー・ポピンズ』が見たくなる。そんな素晴らしい作品になっています。
『ウォルト・ディズニーの約束』は、後から見てもいいと思う
では、『メリー・ポピンズ リターンズ』を見る前に、その『ウォルト・ディズニーの約束』を見るべきかと言われると、これはとーっても難しい(笑)
なぜなら、『ウォルト・ディズニーの約束』を見てしまうと、原作を読む以上にその印象が強く頭に残るので、頭の中が完全に“原作(者)を超リスペクト”状態になってしまうからです。
『メリー・ポピンズ リターンズ』を見ている間中、常に“トラヴァースがこの映画見たらどう思うかな~?”というのが頭をよぎります(笑)ひとまず“小説(原作)とは違う“、”映画は娯楽”、“別物の作品”と割り切った上でこの映画を見ないと純粋に楽しめないかもしれません。
トラヴァースは、メリー・ポピンズについて魔法使いではないと『ウォルト・ディズニーの約束』の中でも言っています。誰もが持っている不思議な力を使う存在がメリー・ポピンズなのに、ウォルト・ディズニー・ジャパンは『メリー・ポピンズ リターンズ』のキャッチコピーで“上から目線の魔法使い”と言ってみたり、もう完全に魔法使い呼ばわりです。
なので、鑑賞前は原作者が亡くなったのをいいことに好き勝手やってしまったか!?という不安がありました。実際にはそこまでではなかったのですが、メリー・ポピンズが派手に歌って踊るミュージカルのシーンがあったりと、映画化するのに派手な演出は必要とはいえ、トラヴァースは激怒しただろうな~というのをどうしても考えてしまいます。
『メリー・ポピンズ』の内容を真に理解するためには、『ウォルト・ディズニーの約束』は見ておくべき作品ではあります。でも、しっかり頭を切り替えて、純粋に『メリー・ポピンズ リターンズ』という映画・娯楽を楽しむことができない人は、見ていないほうがいいだろうなとも思います。
逆に『メリー・ポピンズ』→『メリー・ポピンズ リターンズ』→『ウォルト・ディズニーの約束』という順番で見たほうが、それぞれの映画を純粋に楽しむことができて、後から原作者の考えも知った上で考察できるので、各作品の印象も変わったりして面白いかもしれません。
前作を見たなら『メリー・ポピンズ リターンズ』はぜひ見てほしい!きっと楽しめる!
『メリー・ポピンズ リターンズ』はとってもハッピーで楽しい映画になっています。前作で感動したなら、同じ精神で描かれている今作も感動すると思いますし、前作の要素があちこちに出てくるこの作品は面白いと感じるはずです。
映像的にもとても鮮やかで、映画館で見るべき作品と言えます。ぜひご覧ください!
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